占い・あそび

タロットの「カップの8」

「旅立ち」「手放し」を表すとされるカード。この札のページです。

観葉植物とカップのある机で、伏せた3枚のカードの1枚に手を伸ばすキリン

絵

このカードの絵

「旅立ち」「手放し」を表すとされるカード。

ウェイトの1911年の本は、この札の絵を「気落ちした様子の男が、自分の幸福や事業、取り組み、以前の関心事を表す杯を置いて去っていく」場面として説明しています。

原典は去る人物の表情を「気落ちした様子」と書いています。当サイトでは、勇ましい旅立ちの形ではないと見ます。

原典の説明に出る杯は、「幸福感」「事業」「取り組み」「以前の関心事」を表すものです。

たとえば、置き去りにされた杯の側と、去っていく人物の側で、絵が二つに分かれて見えます。

当サイトの絵は、脚つきの杯を8つ並べて描きました。1909年の札の人物の場面はまねせず、印の数で数の札を表しています。

当サイトはカードに良し悪しをつけません。先のことも、他の人の気持ちも占いません。

同じスートの前後の数や、同じ数のほかのスートの札と並べて見ると、数とスートの違いが分かりやすくなります。

正位置

正位置はどう読まれるとされるか

当サイトでは、カップの8を、気持ちを注いできたものから距離を置く札として読みます。

解説では「旅立ち」「手放し」「方向転換」の語が並びます。

一方で解説では「もどかしさ」「失望」「関心の低下」の語も挙がります。

原典は、札は表面上そのまま読めるとしつつ、「喜び」「おだやかさ」「内気さ」「名誉」「つつましさ」という正反対の読みもあると書いています。

原典は続けて、実際には、この札は事柄が衰えていく様子を示すか、重要だと思われていた事柄が実はごく軽い結果にすぎないことを示すのが通例だ、と述べています。

たとえば、長く通った習いごとの月謝の引き落としを止める手続きに進む場面を思い浮かべると、この札の読み方がつかめます。

確かめた解説 5 件のうち、正位置の言葉として最も多く挙がったのは「手放し」(2 件)です。続いて、「旅立ち」(2 件)、「失望」(2 件)が挙がりました。

下の表は、当サイトが読んだ解説(検索の上位のカードのページ)が、この札に当てている言葉を数えたものです。似た意味の言葉は、当サイトが1つの呼び名にまとめました。

カップの8の正位置に当てられた言葉(確かめた解説 5 件のうち、挙げた件数)
言葉挙げた解説
手放し2 件 / 5 件
旅立ち2 件 / 5 件
失望2 件 / 5 件

逆位置

逆位置はどう読まれるとされるか

ウェイトの逆位置の語は「大きな喜び」「幸福感」「宴」です。

たとえば、正位置の沈んだ空気とは向きが違い、人が集まって祝う場面に近い言葉の並びです。

解説では「再挑戦」「見直し」「再燃」の語が並びます。

一方で解説では「優柔不断」「惰性」「未練」「現状維持」の語も挙がります。

たとえば、喜びの側に向く原典の語と、迷いの側に向く語を並べて眺めると、同じ逆位置でも向きが分かれることが見えます。

逆位置では、確かめた解説 5 件のうち「再挑戦」を挙げたものが最も多く、3 件でした。

カップの8の逆位置に当てられた言葉(確かめた解説 5 件のうち、挙げた件数)
言葉挙げた解説
再挑戦3 件 / 5 件
見直し1 件 / 5 件
再燃1 件 / 5 件

文章は写していません。言葉だけを数え、1つの解説につき、正位置・逆位置とも最大3語まで記録しました。

確かめた解説(5 件・外部サイト):

当サイトでは、逆位置を使うかどうかに正解を決めていません。

原典

1911年の原典ではどう書かれているか

ウェイトは1911年の本の第3部の第2節で、小アルカナの56枚それぞれに、絵の説明と正位置の語を、55枚には逆位置の語も書いています(カップの2だけは逆位置の語がありません)。当サイトは、その語を当サイトの訳で引いています。

[object Object]

ウェイトは、正位置の語として「ある事柄の勢いが引いていくこと・取るに足らないこと」と書いています。

ウェイトは、別の読み方として「喜び・おだやかさ・内気さ・名誉・つつましさ」も挙げています。

正位置の語(原典の英語と、当サイトの訳)
原典の英語当サイトの訳
the decline of a matterある事柄の勢いが引いていくこと
slight consequence取るに足らないこと
joy(別の読み方)喜び
mildness(別の読み方)おだやかさ
timidity(別の読み方)内気さ
honour(別の読み方)名誉
modesty(別の読み方)つつましさ

原典は、逆位置の語に「大きな喜び・幸福感・宴」を並べて書きました。

逆位置の語(原典の英語と、当サイトの訳)
原典の英語当サイトの訳
Great joy大きな喜び
happiness幸福感
feasting宴

ウェイトの正位置は、札は表面上そのまま語る、と断って始まり、「実際には」のあとで事柄の衰えを挙げています。解説では「旅立ち」「手放し」と、去る動きを言う語が挙がります。

原典の語のうち、病気・寿命・事故・離婚や生死にかかわる語は、当サイトの決まりで訳していません。

スートと数

スートと数の違い

カップの8の名前(スートと数)
見かたカップの8
英語の名前Eight of Cups
スートのフランス語の呼び名(マルセイユ系)Coupes
日本語のゆれカップの8・杯の8・聖杯の8
当サイトの絵の印脚つきの杯

当サイトでは、数の8を、7までに積み上げた流れがひと区切りして、別の向きへ動き出す数として見ます。

当サイトの整理では、カップは感情や関わりの領域で、8ではそれが注いできた先から身を引く形になります。

フランス語の呼び名(Bâtons・Coupes・Épées・Deniers、宮廷札は Valet・Cavalier・Reine・Roi)は、マルセイユ系の復刻や解説書で一般に使われているものです。18世紀の版の画像との照合は終えていないため、版によって綴りが違うことがあります。

4つのスートと数・宮廷札の違いは、小アルカナの一覧にまとめています。

問いかけ

このカードを引いたときの問いかけ

先のことを聞く問いではなく、いまの自分と、これまでの自分に向けた3つの問いです。答えは書かなくて構いません。

  1. 最近、まだ手元にあるのに気持ちが離れかけているものは何ですか。
  2. 置いてきたものを杯の数を数えるように具体的に挙げるとしたら、何がありますか。
  3. 大事だと思っていたことが、あとから軽く感じられたのはどんなときでしたか。

質問

よくある質問

カップの8の意味は?

この流派では、「旅立ち」「手放し」を表すとされます。当サイトでは、注いできたものから静かに離れる場面として読みます。

カップの8の逆位置はどんな意味ですか?

ウェイトは逆位置に「大きな喜び」「幸福感」「宴」を置いています。解説では「再挑戦」「見直し」の語が並びます。

カップの8で杯を置いて去る人物は何を表しますか?

ウェイトは、この人物を「気落ちした様子」で自分の取り組みを置いていく姿と説明しています。当サイトでは、去る動きと残された杯を分けて眺めます。

カップの8の原典には、正反対の読みも書かれていますか?

原典は「喜び」「おだやかさ」「内気さ」など正反対の読みもあると書いています。原典は、実際には事柄が衰えていく様子を示すか、重要だと思われていた事柄がごく軽い結果にすぎないことを示すのが通例だ、とも述べています。

ほかのカード

ほかのカード・1枚引きに戻る

並べると、カップの9は豊かな飲み物を背にした人物の絵で、杯を置いて去る8とは、その場に留まるか離れるかが正反対です。

読み比べると、ソードの8は縛られて目隠しをされた女性が剣に囲まれる絵で、自分で杯を置いて去る8とは、動けるかどうかが違います。

1枚引きに戻る

当サイトが読み比べに選んだ札:

小アルカナ56枚の一覧へ

読み物の根拠と限界

根拠について

占い・あそび

タロットは、15世紀のイタリアのカード遊びの札が、18世紀の終わりごろのフランスで占いに使う本が出たことをきっかけに、占いにも使われるようになったとされます。カードで先のことが分かるかを確かめた研究は、当サイトが2026年10月に探した範囲では見つかっていません。占い・あそびとして楽しむ読み物で、説明書の採点には使いません。だれにでも当てはまる書き方の文を、自分のことだと感じやすいことは、Forer(1949)の教室での実験で示されています。予言ではなく、カードの位置と象徴を振り返りの問いかけに使う枠組みを提案した論文(Crawford, 2026・看護の仕事の振り返りが対象で、効果を確かめた研究ではありません)もあります。

  • Forer (1949) "The fallacy of personal validation: a classroom demonstration of gullibility." J Abnorm Soc Psychol 44(1):118-123. ( https://doi.org/10.1037/h0059240 )
  • Crawford CL (2026) "A Holistic, Tarot-Inspired Framework for Understanding and Mitigating Burnout in Nurses Through Self-Reflection." Holist Nurs Pract. ( https://doi.org/10.1097/hnp.0000000000000801 )
  • Waite AE (1911) The Pictorial Key to the Tarot. London, W. Rider(扉の書誌を確認。語は Part III §3 から当サイトの訳で引用)。
  • カードごとの言葉: 当サイトが読んだ解説(1枚あたり4件以上)。出典は各ページの「解説で多い言葉」の欄に URL つきで載せています。文章は写さず、言葉だけを数えました。
  • ・占い・あそびの区画です。説明書の採点・完成度には使いません。
  • ・引いたカードは、この端末の中だけで決めます。送信・保存はしません。
  • ・カードに良し悪しはつけません。先のことも、他の人の気持ちも占いません。
  • ・意味は、各ページに「この流派では」「ウェイトは〜と書いています」の形で載せています。
  • ・原典の語のうち、病気・寿命・事故・離婚や生死にかかわる語は訳していません。
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