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愛着スタイルとは?4つの型と、不安・回避の2本の物差し
論文の要旨と研究者本人の説明を引きながら整理しました
最終更新日: 2026-10-07
読みものです。型の判定はしません
このページは愛着スタイルという言葉の説明で、当サイトに愛着スタイルの検査はありません。あなたがどの型かは判定しません。
LINE が半日返ってこない。何か悪いことを言ったかと、トーク画面を見返してしまう。逆に、相手が近づいてくると、ひとりになりたくなる。こうした距離の取り方を調べると、「愛着スタイル」という言葉に行き着きます。
このページは、その言葉が研究の場でどう使われているかを、論文の要旨と研究者本人の説明を引いて整理したものです。あなたがどの型かは、ここでは決めません。
愛着スタイルとは
愛着スタイルは、もとは乳幼児と養育者の結びつき(愛着)を調べる研究から出てきた言葉です。それを大人の恋愛に当てはめて論じたのが、Hazan と Shaver の1987年の論文です。要旨には、こう書かれています。
「romantic love is an attachment process--a biosocial process by which affectional bonds are formed between adult lovers」
恋愛を、大人どうしの結びつきが作られる過程として見る、という意味です。論文は、乳児期の結びつき方の3つの様式(安定・回避・不安/両価)を、大人の恋愛の言葉に置き換えて調べました。
愛着スタイルは、人にラベルを貼る言葉というより、身近な人との関係でどれくらい安心していられるかの、個人差を指す言葉です。たとえば LINE が半日返ってこない夜に、「忙しいのかな」で済ませる人もいれば、何か悪いことを言ったかと見返し続ける人もいます。愛着スタイルが見ているのは、こうした反応の違いのほうです。
2本の物差し: 不安と回避
研究では、愛着スタイルを2本の物差しで測るやり方があります。そのための質問紙に、Brennan・Clark・Shaver が1998年に作った ECR と、その改訂版の ECR-R があります。ECR-R を作った研究者の1人の Fraley が、自分のサイトで2本をこう説明しています。
「attachment-related anxiety (i.e., the extent to which people are insecure vs. secure about the availability and responsiveness of romantic partners) and attachment-related avoidance (i.e., the extent to which people are uncomfortable being close to others vs. secure depending on others)」
不安は、恋人など大切な人が、必要なときに応えてくれるかどうかに、どれくらい自信が持てないか。回避は、人と近くなることにどれくらい落ち着かないか、人に頼ることにどれくらい抵抗があるか、です。どちらも2択ではなく、程度です。
4つの型の呼び名
Bartholomew と Horowitz は1991年に、大人の愛着を4つの型で見る考え方を論文にしました。要旨は、型の決め方をこう書いています。
「Four prototypic attachment patterns are defined using combinations of a person's self-image (positive or negative) and image of others (positive or negative).」
- 安定型(secure)は、不安も回避も低い位置です。返信が遅くても「忙しいのかな」で済み、困ったときは人に頼れます。
- 不安型・とらわれ型(preoccupied)は、不安が高く、回避は低い位置です。返信が来ない夜に、何度もトーク画面を開いてしまいます。
- 回避型・拒絶回避型(dismissing)は、回避が高く、不安は低い位置です。相手が近づいてくると、ひとりの時間を取り戻したくなります。
- 恐れ回避型(fearful)は、不安も回避も高い位置です。近づきたいのに、近づくと不安になって、距離を置いてしまいます。
論文の4つは、自分への見方と他人への見方の組み合わせです。Fraley のページは、ECR-R の2本の物差しをこの Bartholomew の枠組みで整理していて、上の図の4区画はその並べ方に合わせました。ここに書いた場面は、各区画の位置から当サイトが考えた例です。誰かをこの型だと決める材料ではありません。
型に分けるときの注意
同じ Fraley のページに、点数から人を型に分ける方法があるのかと聞かれた質問があります。答えの1行目は、次のとおりです。
「There is no "natural" or "correct" way to assign people to attachment categroies or styles.」
Fraley は、2本の点数から人を型に分類することを強く勧めない、とも書いています。分類すると、測定の精度が下がるからです。どうしても分けなければならない場合の説明の中でも、「本当の型」は無いと書いています。
だから4つの名前は、2本の物差しの上の位置を呼ぶための名札として読むのが安全です。型を当てるより、「連絡が来ないと落ち着かない」なら不安、「近づかれると息が詰まる」なら回避、と、どちらの物差しの話かで見るほうが、ラベルに縛られません。同じページには、恋人以外の相手など、対象を変えて使える版の案内もあります。相手によって位置が違う人がいても、不思議ではありません。
医療で使う言葉とは別のもの
愛着スタイルは、人との距離の取り方の個人差を、研究で表す言葉です。医療の場で使う診断名とは別のものです。このページは、誰かの状態を判定したり、診断名を決めたりするものではありません。
検索すると、医療の言葉と並んで愛着の話が出てくることがあります。Fraley のページは、2本の物差しを「個人差」を測るものとして説明しています。そこから先、点の高さを医療の言葉に結びつけることは、このページではしません。
「回避型だから冷たい」「不安型だから重い」のように、型の名前で人を決めつけるのも、このページの狙いとは逆です。Fraley のページが書いているのは位置の話で、人の種類の話ではありません。
人との距離のことで、毎日がつらい状態が続いているときは、型の名前を探すより、身近な人や専門の相談窓口に話してみてください。
当サイトの「恋愛の距離感」の診断との違い
当サイトに「恋愛・関係のスタイル」という質問があります。見ているのは、どのくらいの距離がちょうどいいか、何があると安心できるか、気持ちをどう伝えてほしいか、の3つです。
これは当サイトが独自に作った質問で、愛着スタイルを測るものではありません。安定型などの型を当てる質問でもありません。ECR-R など研究で使う質問紙の設問は、使っていませんし、写してもいません。Fraley のページには、商用目的で使うには許諾が要ると書かれていて、当サイトは許諾を取っていないからです。
距離のことで近い悩みを読むなら、次のページがあります。愛着スタイルとの対応は、主張しません。
よくある質問
愛着の4つのタイプは?
安定型、不安型(とらわれ型)、回避型(拒絶回避型)、恐れ回避型の4つです。Bartholomew と Horowitz(1991年)の4分類です。ECR-R を使う研究では、「不安」と「回避」の2本の物差しの位置に当てて呼びます。
愛着スタイルの4分類の特徴は?
安定型は不安も回避も低く、不安型は不安だけ高く、回避型は回避だけ高く、恐れ回避型は両方高い位置です。型は箱ではなく位置の呼び名で、「本当の型」は無いと Fraley は書いています。
愛着にはどんな3つのタイプがありますか?
Hazan と Shaver(1987年)の3分類で、安定・回避・不安(両価)です。乳児期の3つの様式を大人の恋愛に当てはめたものです。4分類は、自分への見方と他人への見方の組み合わせで、4つを定義し直したものです。
愛着スタイルの回避型はどうやって診断するのですか?
当サイトでは型を判定しません。研究では質問紙で不安と回避の2本の点を出しますが、その点から回避型などに分ける決まった方法は無いと、Fraley は書いています。医療の診断名を決める話でもありません。
出典
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.(要旨は PubMed(2026-10-07 取得)) https://doi.org/10.1037/0022-3514.52.3.511
- Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology, 61(2), 226–244.(要旨は PubMed(2026-10-07 取得)) https://doi.org/10.1037/0022-3514.61.2.226
- Fraley, R. C., Waller, N. G., & Brennan, K. A. (2000). An item response theory analysis of self-report measures of adult attachment. Journal of Personality and Social Psychology, 78(2), 350–365.(ECR-R の原論文として Fraley のページが挙げているもの。書誌は Crossref で確認(2026-10-07)) https://doi.org/10.1037/0022-3514.78.2.350
- R. Chris Fraley「Frequently asked questions about the ECR-R」(2026-10-07 取得) https://labs.psychology.illinois.edu/~rcfraley/measures/ecrr.htm
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