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心理機能とは?ユングの8つの働きと、順番(主機能・補助機能)の考え方

論文の要旨を引きながら、順番の規則と根拠の強さを整理しました

最終更新日: 2026-10-07

読みものです。主機能などは判定しません

このページは心理機能という言葉の説明で、当サイトに心理機能の検査はありません。あなたの主機能や補助機能は判定しません。

MBTI®、Myers-Briggs Type Indicator® は The Myers & Briggs Foundation の登録商標です(日本国登録第3080937号ほか)。診断ナビは同財団、The Myers-Briggs Company、一般社団法人日本MBTI協会のいずれとも関係がなく、このサイトの16タイプのセルフチェックは MBTI® ではありません。正式な MBTI® は、日本MBTI協会の認定ユーザーを通じて受けるものです。

診断ツールの結果に「主機能 Fi、補助機能 Ne」と出た。Fi が何なのか分からないまま、友だちの結果と並べて見ている。そんなときに開くページとして書きました。

心理機能は、ユングが書いた心の働きの分け方と、それを並べる後の時代の規則が、混ざって使われている言葉です。元の考え方、順番の決め方、診断ナビの結果から読むときの注意、研究で確かめられている範囲を、出典つきで分けて書きます。

心理機能とは

会議のあと、同じ話を聞いていたのに、ひとりは「あの数字、合ってなかったよね」と言い、もうひとりは「あの言い方はきつかった」と言う。気になる所が人によって違うとき、その違いを説明する言葉のひとつが心理機能です。日常の言葉に直すと、ものの見方・決め方のくせにあたります。

ユング(スイスの心理学者)は、1921年の『心理学的類型』(原題 Psychologische Typen)で、心の働きを思考・感情・感覚・直観の4つに分けました。心理機能は、この4つの働きのことです。「心理的機能」と書く人もいますが、ここでは同じものとして扱います。

4つの働きは、外へ向くか内へ向くかでも分かれ、合わせて8つになります。次の見出しで1つずつ書きます。なお、「認知機能」は医療や運転免許の検査で使う言葉で、ここで扱う心理機能とは別のものです。

4つの働きと2つの向きで8つ

4つの働きを、外へ向く場合と内へ向く場合に分けたのが8つです。向きは、判断や受け取りの材料を、外の出来事や決まりに求めるか、自分の中の感じや筋道に求めるか、の違いです。

4つの働きと2つの向きの整理図 縦に思考・感情・感覚・直観、横に外へ向く・内へ向くを並べた格子。TeとTi、FeとFi、SeとSi、NeとNiの8つのマス。 外へ向く内へ向く 思考 Te 外の基準で筋を通す Ti 自分の中で筋を通す 感情 Fe 場や周りに合わせる Fi 自分の重みで決める 感覚 Se 目の前を受け取る Si 残る感じを受け取る 直観 Ne 次々と可能性を探る Ni 見通しがまとまる
4つの働きと2つの向きを並べた整理図で、例です。あなたの結果ではありません。
働き外へ向くとき内へ向くとき
思考Te:店選びで、口コミの点数と値段を見比べて決めるTi:説明に筋が通っているかを、自分の頭の中で確かめる
感情Fe:その場の空気や、周りが受け入れやすいかで決めるFi:これは譲れない、という自分の中の重みで決める
感覚Se:目の前で起きていることを、そのまま受け取るSi:出来事が自分の中に残した感じのほうを受け取る
直観Ne:目の前のものから、次々に可能性を思いつくNi:頭の中でまとまってくる見通しをつかむ

表の Te や Fi は、よく使われる書き方です。大文字が働き(直観だけは N)、小文字が向きで、e は外向き、i は内向きです。ここに書いた場面は、各機能のおおまかな意味から当サイトが考えた例で、ユングの文章そのものではありません。

ユングが書いたことと、MBTI®の流れで加わったこと

ユング本人の本にあるのは、次のことです。4つの働きと、外向・内向の2つの向き。人ごとによく使う働き(主たる働き)が1つあり、それを補う2番目の働きがあること。そのぶん、使われにくい働きも出てくること。2番目の働きは、第10章「型の一般的な記述」(英訳の章題は General Description of the Types)の終わりの節に書かれています。

その節でユングは、2番目の働きは主たる働きと性質の違うものに限られる、と書いています。思考が主なら2番目は感覚か直観で、同じ判断の働きである感情にはなりません。

一方、2番目の働きを主と逆の向きに置き、第三機能・劣機能まで外向きと内向きを交互に並べて16通りにする規則は、後の MBTI® の流れ(マイヤーズとその後の解説者)で整理されたものとして説明されています。

英訳(Baynes 訳・1926年版のスキャン本文)でこの節を読んだ範囲では、向きを交互にする話は出てきません。本全体に無いかまでは確かめていないので、「後の流れで整理された規則」と書きます。ユングの文章は引用せず、言い換えと書誌だけにしています。

この規則では4つの働きが片方の向きでだけ入るので、Fe と Fi が同じ並びに入ることはありません。点で出すツールで Fe も Fi も高く出たら、ツールの点と規則が食い違っています。

4文字から順番を引く

J と P の文字は、外の世界に向ける働きが判断(思考・感情)か知覚(感覚・直観)かを表します。E の人はその外に向けた働きが主機能に、I の人は内に向けたもう1つの働きが主機能になり、外に向けた働きは補助機能です。第三機能は補助機能と対になる働きで主機能と同じ向き、劣機能は主機能と対になる働きで逆の向きです。

表の4文字(INFP など)は、性格の型を説明するときに広く使われている書き方です。このサイトの16スタイルとの対応は考え方の目安で、質問も計算も違うため、MBTI® や他のサービスで出た結果と同じになるとは限りません。並び(主・補・第三・劣)は、このページの規則から当サイトが組んだもので、検査で測ったものではありません。

診断ナビの結果は左の列の漢字で探し、1文字目(外・内)か4文字目(画・柔)の棒に「どっちも半々くらい」と出たら右の2列も読みます。

診断ナビの漢字4文字主 補 第三 劣E/I が反対ならJ/P が反対なら
外実論画ESTJTe Si Ne FiISTJESTP
外実論柔ESTPSe Ti Fe NiISTPESTJ
外実情画ESFJFe Si Ne TiISFJESFP
外実情柔ESFPSe Fi Te NiISFPESFJ
外想論画ENTJTe Ni Se FiINTJENTP
外想論柔ENTPNe Ti Fe SiINTPENTJ
外想情画ENFJFe Ni Se TiINFJENFP
外想情柔ENFPNe Fi Te SiINFPENFJ
内実論画ISTJSi Te Fi NeESTJISTP
内実論柔ISTPTi Se Ni FeESTPISTJ
内実情画ISFJSi Fe Ti NeESFJISFP
内実情柔ISFPFi Se Ni TeESFPISFJ
内想論画INTJNi Te Fi SeENTJINTP
内想論柔INTPTi Ne Si FeENTPINTJ
内想情画INFJNi Fe Ti SeENFJINFP
内想情柔INFPFi Ne Si TeENFPINFJ
E/I の境目で並びが変わる例 INFPの並び(上から主Fi、補Ne、第三Si、劣Te)とENFPの並び(上から主Ne、補Fi、第三Te、劣Si)を並べた例。点は置いていない。 INFPの並び 診断ナビの漢字なら 内想情柔 主 Fi 補 Ne 第三 Si 劣 Te ENFPの並び 診断ナビの漢字なら 外想情柔 主 Ne 補 Fi 第三 Te 劣 Si
同じ人が E/I の境目で、INFP の並びにも ENFP の並びにもなりうる、という例です。あなたの結果ではありません。点は置いていません。

診断ナビの結果から読むときの注意

診断ナビの16スタイルの4つの軸は、心理機能を直接測っていません。J/P にあたる「進め方」の設問は、「予定は早めに決めて計画通り進めたい」「やることリストを作って順番に進める」など、計画の立て方のくせを聞いています。規則の J/P が決めるのは、外に向ける働きが判断か知覚かで、設問はそこを聞いていません。

E/I にあたる「関心の方向」も同じです。「初対面の人が多い場に行くと、自然と話しかけに行く」「一日の終わりは、誰かと話して気持ちが切り替わる」など、人づきあいでの行動を聞いています。ユングの言う、心のエネルギーが外と内のどちらへ向くか、そのものではありません。

だから、結果から出る順番は、4文字に規則を当てはめた読みで、測った値ではありません。「あなたの主機能は〇〇です」とは言いません。MBTI® の J/P の物差しの読み方にも、研究者から疑問が出ています(要旨にそれ以上の説明はありません)。

「The interpretation of the Judging-Perceiving index was also called into question.」

S/N と T/F が境界のときは、その軸の2文字が入れ替わるだけで、主・補・第三・劣の位置は変わりません。境界の軸が2つ以上あるときは、並びの組み合わせが増えるので、1つに決められません。

順番が本当にあるのか

主・補・第三・劣の順番が実在することを支持する査読論文は、Crossref と OpenAlex の検索(2026-10-07)では見つけられませんでした。「見つからなかった」と「間違いと証明された」は別です。

McCrae と Costa(1989年・468人)は、型がはっきり分かれる形は支持されなかったとしたうえで、ユングの理論が誤りか、MBTI® がうまく測れていないか、のどちらかだと書いています。

「Jung's theory is either incorrect or inadequately operationalized by the MBTI」

Girelli と Stake(1993年)は、軸の両端が強く反対に出るのは、2択の形式のせいだと書いています。

「high negative correlations within MBTI dimensions are an artifact of its forced-choice format」

Pittenger(2005年)は、4文字の型から読み取れることに慎重であるべきだと述べています。

「may not yet be able to support the claims its promoters make」

3本とも検査の作りを調べたもので、順番そのものは調べていません。年代も1989〜2005年と古いです。診断ツールの「あなたの主機能は〇〇」は、根拠が確かめられていない読み方です。

MBTI®・ビッグファイブ・エゴグラムとの関係

日本MBTI協会は、MBTI® をユングのタイプ論をもとにした検査と説明しています。MBTI® は E/I など4つの軸で結果を出す検査で、心理機能は、その軸の意味を説明するために使われる理論です。検査と、理論の説明は、別のものです。

ビッグファイブとの関係は、McCrae と Costa が同じ論文で、MBTI® の4つの軸は5つの大きな次元のうち4つの面を測っていた、と書いています。心理機能の順番は、ビッグファイブの側には入っていません。エゴグラムは、交流分析という別の理論から作られた、5つの自我状態を見る物差しです。

診断ナビの16スタイルは、心理機能を測るものではありません。4つの軸は、日常の行動を聞く、当サイト独自の質問で作っています。関連するページは次のとおりです。

よくある質問

心理機能とは何ですか?

ユングが分けた、思考・感情・感覚・直観の4つの心の働きのことです。日常の言葉では、ものの見方や決め方のくせにあたります。

8つの心理機能とは?

4つの働きを外向きと内向きに分けた、Te・Ti・Fe・Fi・Se・Si・Ne・Ni の8つです。1つずつの意味は、上の表にあります。

4つの心理機能とは?

思考、感情、感覚、直観の4つです。思考と感情は判断する働き、感覚と直観は情報を受け取る働きとして分けられます。

MBTIと心理機能の違いは何ですか?

MBTI® は日本MBTI協会の認定ユーザーを通じて受ける検査で、心理機能はユングの理論から来た考え方です。検査の説明に、心理機能の順番が使われます。

心理機能の一覧は?

思考・感情・感覚・直観のそれぞれに外向きと内向きがあり、8つです。主・補・第三・劣の並べ方は MBTI® の流れで整理された規則で、ユングの本の2番目の働きの節には、向きを交互にする話は出てきません。

出典

  • Jung, C. G. (1921). Psychologische Typen. Zürich: Rascher Verlag.(書誌と章立ての確認に二次情報(Wikipedia)を使用。ユングの文章は引用していません(2026-10-07)) https://en.wikipedia.org/wiki/Psychological_Types
  • Jung, C. G. (1926). Psychological Types, or the Psychology of Individuation (H. G. Baynes, Trans.). London: Kegan Paul, Trench, Trubner. 第10章 General Description of the Types(スキャン本文(OCR)で第10章の終わりの、2番目の働きの節を確認。引用はしていません(2026-10-07 取得)) https://archive.org/details/dli.ministry.19322
  • McCrae, R. R., & Costa, P. T. (1989). Reinterpreting the Myers-Briggs Type Indicator from the perspective of the five-factor model of personality. Journal of Personality, 57(1), 17–40.(要旨は Europe PMC(2026-10-07 取得)) https://doi.org/10.1111/j.1467-6494.1989.tb00759.x
  • Girelli, S. A., & Stake, J. E. (1993). Bipolarity in Jungian type theory and the Myers-Briggs Type Indicator. Journal of Personality Assessment, 60(2), 290–301.(要旨は Europe PMC(2026-10-07 取得)) https://doi.org/10.1207/s15327752jpa6002_7
  • Pittenger, D. J. (2005). Cautionary comments regarding the Myers-Briggs Type Indicator. Consulting Psychology Journal: Practice and Research, 57(3), 210–221.(要旨は OpenAlex、巻号とページは Crossref(2026-10-07 取得)) https://doi.org/10.1037/1065-9293.57.3.210
  • 日本MBTI協会 トップページ(2026-10-07 取得) https://www.mbti.or.jp/

標準化された心理検査ではありません

診断ナビの診断は、公開されている心理尺度や理論を参考に当サイトが独自に設計した自己理解ツールです。回答内容に基づいて傾向を推定するもので、性格や能力を確定・証明するものではありません。学術的に標準化された心理検査とは異なります。

医療・臨床の検査ではありません

診断ナビの各診断は、医療行為・心理臨床上の検査・診断ではありません。心身の不調や疾患の有無を判定するものではなく、治療や受診の代わりにもなりません。